ミリシタの舞台である「劇場」の内部構造がゲーム内でどのように描かれているのか整理する。
まず客席フロアの座席数を明らかにする。上記の客席フロア画像から、座席数は以下のようになる。
既往の研究においては、週刊歌らん作者による推定では1058席、かぐらPによる推定では1054席と報告されており、ほぼ等しい結果が得られた。
次に、客席フロアのサイズを検討する。劇場客席フロアの構造は、中野サンプラザの客席フロア構造に酷似しており、中野サンプラザが元になっていることは明らかである。そのため、中野サンプラザの座席および通路サイズを元に、劇場の客席フロアサイズを算出する。
サンプラザホールご利用案内に記載された客席の構造に基づき、座席サイズおよび通路幅を次のように定めた。
このとき客席フロアサイズはのようになり、横方向19.7m、縦方向27.5mと推定された。
ミリシタ劇場の構造は、ゲッサン(門司雪、アイドルマスターミリオンライブ! 全5巻)と酷似している箇所が多々ある。黒澤千尋氏はゲッサン版ミリオンライブの劇場をデザインしたと述べており、ミリシタ劇場の構造はゲッサン版から逆輸入されたと考えられる。ただし作者の門司氏は、下記のように両者は必ずしも同じではないと注意喚起している。
話の流れで投稿したマイクラシアターが思った以上の反響で嬉しい🙃
— 門司雪・マガポケ新連載 (@charin_ko) January 24, 2020
補足ですが劇場の内部はミリシタの画面見ながらその場のノリで作っただけなので全然正しくないし参考にはならないですよ!
漫画描く上で当時見取図は作りましたが、ミリシタの劇場とは立地も違うし内部も同じではないと思います🙃
とは言え、ミリシタ劇場とゲッサン劇場は一定の類似性を有すると推定されるため、ここではゲッサン劇場の構造をベースにしてミリシタ劇場の構造やサイズを推定する。
上記ツイートで言及されたゲッサン劇場「見取図」はゲッサン第5巻特別版に掲載されている。詳細は冊子で確認いただきたいが、概要を週刊歌らん作者がまとめており、参照が可能である。このように、ゲッサン劇場は入口側(下側)から、エントランス-客席フロア-ステージ-楽屋となっている。ここではミリシタ劇場もこの構造と踏襲していると仮定した。劇場の中で最も大きな範囲を占める客席フロアのサイズは、前述のとおり19.7m x 27.5mと推定しており、客席フロアのサイズを元に劇場全体の構造を推定した結果をに示す。劇場全体のサイズは、横方向(幅)29m x 縦方向(奥行)53mとの推定結果となった。また劇場の正面画像では、幅:高さ = 2.1 : 1 であるため、劇場の高さは14mとの推定結果となった。なおの中に記載した事務室(右上の部屋)には実サイズの机や椅子も記載しており、現実的なサイズ感であることが確認できる。
以上の検討により、ミリシタ劇場内でどの場所に各部屋が配置されているのかが推定できた。ゲーム画像と対比した図を以下に示す。
ここまでで検討したミリシタ劇場構造をのように3Dに書き起こした。またこの3Dモデルはウェブサービスclusterで自由に歩き回れるようにした。clusterはイベントに使うこともできるらしいので、使いたい人がいたら声をかけてください。
以上の検討結果から、ミリシタ劇場は現実的なサイズが設定されていることが確認できた。しかし、ゲーム内で登場する部屋が全て説明できたわけではない。以下にまだ説明しきれていない項目を挙げる。
本資料ではアイドルマスターミリオンライブシアターデイズの画像を多数用いています。それらの画像の著作権はBNEI社にあります。